近年の家出や失踪状況について
平成22年4月1日から「行方不明者発見活動に関する規則」(平成21年国家公安委員会規則第13号)が施行され警察による行方不明者発見活動に係る用語の整理等がなされています。
「家出人」→「行方不明者」 「捜索願」→「行方不明者届」
平成25年に全国の警察が受理した行方不明届の件数は年間で83,948人で、性別では、男性が53,916人で全体の64.2%を占めており、成人・少年別では成人が63,147人で全体の75.2%を占めています。
年齢別では「10歳代」が19,858人で23.7%を占め、次いで「70歳代」、「20歳代」そして「30歳代」となっています。 原因・動機では「家庭関係」が17,919人で21.3%を占め、次いで「事業・職業関係」「疾病関係」そして「異性関係」「学業関係」となっています。
原因・動機に関して「金銭の貸借」というものがありませんが、どの項目にも大小様々な金銭が絡んでいることも事実と言えるでしょう。
平成24年度は81,111人、25年度は83,948人となり、ここ数年、横這いだった件数が増加傾向にあり、所在が確認された行方不明者は82,182人で約1,000人以上が不明のままとなっています。
音信不通や消息を絶っているだけでも心配です。
全国の警察で所在が確認された家出人も当然いらっしゃいますが、行方不明届を提出しても事件性がない限り警察は家出人捜索になかなか着手できないのが現状です。では何故、警察で確認ができたのか…?それは、警察が動かなければならない状況があったからです。
「犯罪の被害者・被疑者となっている」「自殺・自死により発見される」など…
悲しい現実ですが誰かが後1週間、24時間もしかしたら1時間でも早く見つけていれば被害者にも被疑者にもならずに済んだかもしれません。
家出や失踪のきっかけ
trigger1
小・中・高校生の場合は親に叱られたという理由が多く、親に心配させてやろうという気持ちなどから最近良く耳にする「プチ家出」という軽い気持ちで本人も深刻になっていないケースもあるが、学校でのいじめや家庭での虐待が原因となっているケースもあるため、一見すると短絡的と思えるような家出でも楽観視はできない。
高校・大学生の場合は勉強や受検の苦しみから逃れるためや異性関係とうまくいかないため、「もっと遊びたい」「自由になりたい」という理由での家でがある。
大人になってからは「なにごとにも嫌気がさして」「だれも知らない所に行きたい」「責任を負いたくない」など一時の無責任な感情によるもので大体は家出した後に後悔している場合が多く見受けられますが、うつ病など過度なストレスによって精神的に参ってしまい他に選択肢が浮かばずに家出する場合もある。
trigger2
会社組織の場合は経理や営業に多く、監査などが入る情報により横領などの事実が明らかになった時を考えて逃亡する。異性関係の場合は会社内外の不貞行為が発覚し、相手の配偶者から問い詰められても責任が負えないため家に帰らなくなり会社にも行けなくなる。
疾病の場合は検診で思わしくない結果であった場合などに自己判断で重病と思い込み悲観的になり、自殺の可能性もありうる。残された家族のことを考える余裕すら無くなってしまい突然に家出する。
trigger3
家出や失踪など行方不明になる理由が異性関係の場合は愛人の所に理由を付けて泊まるようになり家に帰らなくなり、本人と浮気相手は二人で計画して家出(駆け落ち)をする。新しい土地で新たな生活をしようというつもりであり離婚の意思は固い。
プチ家出の場合
「プチ家出」という言葉で家出を安易に考えるケースも目立っています。親御さんも「そのうち帰ってくるだろう」とタカをくくって放置してしまっている場合も多く見受けられます。しかし反社会的勢力などの組織犯罪や覚醒剤・大麻・脱法ドラッグなど危ない道に引っ張られて犯罪・事件に巻込まれるリスクも非常に多いのが未成年の家出です。
その上、スマートフォンやSNSなどの急激な普及により少年・少女が出会い系アプリなどにより精神的・身体的な危害を受ける事例も増えていますので手遅れになる前に調査し発見することをお勧めします。
調査依頼に必要な情報
- 家族または誰かに対して残されたメッセージがあったか
- 普段の生活でよく行く場所やよく遊ぶ友達の名前などを言っていなかったか
- お子さんが使用したスマートフォンやパソコンの履歴を確認する
- 使える(持ち出せる)お金はどのくらいあるか
- 移動手段は何があるか
- 同行者がいそうかどうか
- 服装や荷物はどのようなものか
- 家出した時の時間を明確にする
- 家出後の目撃者がいないか確認する
- 部屋に手がかりになる物(メモ・日記・レシートなど)はないか
プチ家出の場合は罪の意識が低い為、自らの意思で行方をくらます大人のより手がかりを残す可能性が高いのです。調査をご依頼頂く前には最寄りの警察署に行き行方不明者届の提出をお勧めします。